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Course: プログラミングコース「高校生のためのPythonデータ分析講座」
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プログラミングコース「高校生のためのPythonデータ分析講座」

Pythonデータ分析講座「01」

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Pythonデータ分析講座「01」

プログラミングを始めよう!

こんにちは!僕は、茨城県水戸市にある「E-Academy」の講師「沼田」と言います。「沼田先生」と呼んでくださいね!

今日から、僕と一緒に楽しくプログラミングを学んでいきましょう!

もしかしたら、みんなは「プログラミングって難しそう・・・」そう思っているかもしれませんね。でも大丈夫!プログラミングは、みんなにとっても身近なものなんですよ!

例えば、みんなが毎日使っているスマホのアプリなども、実は誰かがプログラミングで作ったものなんです!

この講座では、そんなプログラミングの基本を、ゆっくり、楽しく学んでいきましょう!

プログラミングって何?身近な例で考えてみよう

みなさんは朝起きてから学校に行くまで、どんなことをしていますか?

例えば、

1. アラームで起きる
2. 顔を洗う
3. 朝ごはんを食べる
4. 歯を磨く
5. 学校へ行く

という感じですよね。実は、プログラミングも、これと同じ!「何を、どの順番でやるか」をコンピュータに教えてあげるのが「プログラミング」なんです!

覚えておこう!

プログラミングは「コンピュータへの指示書」を書くこと。まるで料理のレシピみたいなもの!

プログラミングの基本的な考え方

プログラミングは「何を、どの順番でやるか」をコンピュータに教えてあげることと、説明しました。では、ここで「カップラーメンを作る」ことを例に考えてみましょう。みなさんなら、コンピューターに、どう説明しますか?

人間なら「お湯を入れて3分待つ」で通じますよね!でも、コンピュータには、もっと詳しく教えてあげる必要があります。

  1. カップのふたを開ける
  2. お湯を沸かす(100度まで)
  3. お湯を線まで注ぐ
  4. ふたを閉める
  5. 3分間待つ
  6. ふたを開けて食べる

このように人間なら説明しなくてもいいことでも、ちゃんと説明してあげる必要があります。コンピューターは「察する」ことができないので、一つ一つ丁寧に、正確に指示を出す必要があるんです。でも、その分、指示した通りに確実に動いてくれますよ!

(※ただし、生成AIなどは文脈から判断して動くことが可能な場合もあります!)

プログラミングの特徴

プログラミングには、知っておくと便利な「3つの特徴」があります!

順番がとても大事!

「靴下」を履いてから「靴」を履くのは普通のことですが、逆だとおかしいですよね?プログラミングも同じで、順番を間違えるとうまく動きません

例「LINEでメッセージを送るとき」

  • 正しい順番:メッセージを入力 → 送信ボタンを押す
  • 間違った順番:送信ボタンを押す → メッセージを入力(何も送れないよ!)

条件によって動きを変えられる!

例「スマホの画面の明るさ自動調整」

  • 暗い場所なら → 画面を暗くする
  • 明るい場所なら → 画面を明るくする

このように、状況に応じて違う動きをさせることができるのもプログラミングの特徴です!

繰り返しが得意!

インスタで100人のフォロワーに「いいね」を押すとき、手動だと大変ですよね。でもプログラムなら「全員に「いいね」を押す」という指示一つで、自動で「100回繰り返して」くれます!

しかも、人間と違って疲れないし、押し忘れることもありません。便利!

身近にあるプログラミングの例を見てみよう!

私たちの身の回りには、プログラミングを使った製品やサービスが数多く存在します。いくつか見てみましょう!

スマホのロック画面

  • 顔を認識したら → ロックを解除
  • 間違ったパスコードを5回入力したら → 1分間使用禁止
  • 充電が20%以下になったら → 省電力モードの通知を表示

コンビニのレジ

  • バーコードを読み取ったら → 商品名と値段を表示
  • 合計金額を計算 → 消費税を追加
  • ポイントカードがあれば → ポイントを追加
  • 支払い完了したら → レシートを印刷

YouTubeのおすすめ動画

  • 見た動画の履歴を記録
  • 似たような動画を探す
  • 視聴時間が長い動画のジャンルを優先
  • 「おすすめ」として表示

どうですか?普段は意識していないですが、私たちの生活にはプログラミングが、とても身近にありますね!

覚えておこう!
  • プログラミングは「順番」が、とても大切!
  • 「もし〜なら」という条件で動きを変えられる!
  • 同じことを何回でも自動で繰り返せる!

なぜプログラミングを学ぶの?

「プログラミングって、将来プログラマーにならない人には関係ないんじゃない?」

そんなことはありません!プログラミングを学ぶことで、下記のような力が身につきます。それによって、人生が、さらに楽しくなるかもしれませんよ!

「論理的思考力」ゲーム感覚で問題を攻略できるようになる!

テストの勉強や、部活の練習メニューなど、クリアしていかなければならない課題が、たくさんありますよね。それなのに、どこをどうやって、何からやっていいかわからない!

そんな複雑で多岐にわたる問題でも大丈夫。大きな問題や課題でも、一つ一つを「ゲームのステージ」のように分けて、順番にクリアしていけるようになります!

難しい数学の問題?大丈夫!レベル1から順番に攻略すればいいだけだね!こんな感じに!

「創造力」あなたのアイデアが現実になる!

「推しの配信スケジュールを自動で通知してくれるアプリ」「テスト勉強の進捗を管理するツール」「友達との予定調整を楽にするシステム」・・・。思いついたアイデアを、自分の手で自由に作れるようになるかもしれません!もう「こんなのあったらいいのに」で終わらせない!

「問題解決力」自分で道を切り開く思考力が手に入る!

バグ(エラー)を見つけて直す経験を重ねると、日常生活でも「あれ?なんでうまくいかないんだろう」→「ここが原因か!」→「じゃあこうすればいい!」という自分で道を切り開く力「問題解決力」が身につきます!

さらに、プログラミングができるとようになると・・・

  • 大学の研究でデータ分析がサクサクできる!
  • 就職活動で「プログラミングできます」は最強のアピールポイント!
  • 副業で稼げる可能性も!?
  • AIを使いこなせる側の人間になれる!

どうですか?ワクワクしてきませんか?

高校生が「Python(パイソン)」を学習する理由

プログラミング言語にはたくさんの種類があります。例えば、Java(ジャバ)、C++(シープラスプラス)、JavaScript(ジャバスクリプト)などなど。

もしかしたら、このような「プログラミング言語」を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

その中で、なぜ「Python(パイソン)」を学習するのがおススメなのでしょうか?

それには、ちゃんとした理由があるんです!

「チェックポイント」プログラミング言語って何?

「なんでプログラミング『言語』って言うの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。

実は、これには面白い理由があるんです。私たちが友達と話すときは日本語を使いますよね。アメリカの友達となら英語、韓国の友達なら韓国語…相手に合わせて言葉を選びます。

コンピュータも同じなんです!でも、コンピュータに「宿題手伝って〜」って日本語で頼んでも、「???」ってなっちゃいます。だから、コンピュータ専用の言葉=プログラミング言語が必要なんです!

しかも面白いことに、プログラミング言語にもいろいろな種類があるんです。例えば・・・

  • 「C++(シープラスプラス)」→ ゲーム開発の達人(大人気のフォートナイトもこれで作られてるよ!)
  • 「JavaScript(ジャバスクリプト)」→ Webサイトを動かす魔法使い(YouTubeの「いいね」ボタンとか、Twitterのリポストボタンとか)
  • 「Swift(スイフト)」→ iPhoneアプリ職人(キミのスマホのアプリたち!)
  • 「Python」→ なんでもできる万能選手(AIもデータ分析もお任せ!)

それぞれ得意分野があるんです。まるでポケモンのモンスターみたいいですね。

Pythonの特徴

とにかく読みやすい!書きやすい!

他のプログラミング言語と比べてみましょう。「Hello, World!」と表示するプログラムで比較してみます!

Java(ジャバ)の場合

public class HelloWorld {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

Python(パイソン)の場合

print("Hello, World!")

どうですか?違いは一目瞭然!Pythonの方が、ずっとシンプルで、分かりやすいですよね!

Pythonは、できることがたくさん!

Pythonを使えば、こんなことができるようになります:

  • 「データ分析」・・・テストの成績を分析して、得意・不得意な科目を見つける!
  • 「AI開発」・・・画像認識や音声認識のプログラムを作る!
  • 「Web開発」:自分だけのWebサイトを作る!
  • 「自動化」:面倒な作業を自動でやってくれる便利なプログラムを作る!

この講座では、特に「データ分析」に焦点を当てて学んでいきます!

世界中のプログラマーや学生に大人気!

Pythonは世界で最も人気のあるプログラミング言語の一つです。プログラミング言語の人気ランキングでは、いつも上位に入っています!

なぜそんなに人気なのでしょうか?それは、Pythonが「シンプルで分かりやすい」のに「なんでもできる万能選手」だからです。その証拠に、世界中の大企業がPythonを使っているんです!

  • 「Instagram」→ 投稿した写真を管理したり、ストーリーズを表示する機能
  • 「YouTube」→ 「次はこの動画どう?」って、おすすめしてくれるレコメンド機能
  • 「Netflix」→ あなたの好みを分析して、ぴったりの作品を選んでくれる機能
  • 「Spotify」→ 聴いた曲から、あなた専用のプレイリストを作ってくれる機能

このように、一流企業の現場でも、Pythonが使われています。ですので、勉強しても使わない技術や知識ではなく、実用的なスキルが身につくということなんです!

さらに、Pythonはこんな身近な場所でも使われているんですよ

  • 「天気予報」:気象データの分析
  • 「病院」:レントゲン画像の分析
  • 「スポーツ」:選手のパフォーマンス分析
  • 「コンビニ」:売れ筋商品の予測や在庫管理

他にも、Pythonが初心者に選ばれる理由があります。それは学習しやすい環境が整っているということです!

  • 分からないことをネットで検索すると、日本語の解説がたくさん見つかる。
  • YouTubeには初心者向けの動画がいっぱいある!
  • プログラミングの質問サイトで聞けば、詳しい人が丁寧に教えてくれる!
  • SNSなどでも、同じように勉強している高校生たちと情報交換ができる!

困ったときでも助けてもらえる環境が、しっかりあるから、初心者でも安心して学べるんですね!

Google Colab(グーグル・コラボ)で、気軽にプログラミング学習をしよう!

特別な準備は不要!ブラウザだけでOK!

ひと昔前は、プログラミングを始めるのにも複雑な設定が必要でした。でも、今は違います!

この講座で使う「Google Colab(グーグル・コラボ)」なら、インターネットとブラウザ、それからGoogleのアカウントがあれば、すぐに始められます!

まるで、ブラウザでゲームをやるように、気軽にプログラミングを学ぶことができるんですよ!

「チェックポイント」Google Colab(グーグル・コラボ)とは?

Google Colab は、Google が提供しているブラウザだけで「プログラムを書ける」サービスです。

他のGoogleサービスでイメージしてみると、以下のようになります。

  • 「Googleドキュメント」→ 文書を書く
  • 「Googleスプレッドシート」→ 表計算をする
  • 「Google Colab」→ プログラミングをする

つまり、プログラムを書いて、その場ですぐ実行できる専用のページというイメージです。書いたプログラムは、自動的にGoogleドライブに保存されるので、次回にアクセスしたときにも作業の続きから始められます。

Google Colabの起動方法

それでは実際に、Google Colabを使ってみましょう!手順は簡単です!

  1. Googleのアカウントにログインしておきます。Googleのアカウントを持っていない場合は、下記を参考にアカウントを取得してください。
  2. Google Colabのサイトにアクセスします。
  3. 「ノートブックを新規作成」をクリックします。
  4. 新しいノートブックが開きます!

ファイルの保存方法

プログラミングをするためのノートブックが開きましたね!プログラミングは、このノートブック内で進めていきます。

 

ここから、本格的にプログラミングを学習する前に、自分で作ったプログラムを保存する方法を学んでおきましょう!

ファイル名をつける

左上の「Untitled.ipynb」という部分をクリックして、「academy2025-(自分のID番号)」に変更してみましょう!

例:academy2025-01.ipynb

ファイルを保存する

キーボードで「Ctrl」キーを押しながら「S」キーを押します。(Macの場合は「Command + S」です)

これで保存が完了しました!ファイルは自動的に「Google Drive」内の「Colab Notebooks」フォルダに保存されます。

左上のGoogle ColabのアイコンをクリックするとGoogle Driveのページが開きます。先ほど保存したファイルはありましたか?

ファイルはダブルクリックで開き、Google Colabのページが表示されます。これで、ファイルの保存と再開ができるようになりました!

覚えておこう!

保存のショートカット: 「Ctrl + S」(WindowsとChromebook)、「Command + S」(Mac)

保存場所: 「Google Drive」内の「Colab Notebooks」フォルダ

確認方法: 左上のロゴをクリック → 「Google Drive」が開く → ファイルを確認

「.ipynb」って何?

ファイル名の最後にある「.ipynb」はファイル形式を表わしています。

「.docx」だとWordファイル、「.xlsx」だとExcelファイルといったように、「これは、Python用のノートブックファイルです」という意味になります。

注意点

「.ipynb」の前には「ピリオド(.)」があります。これは必要なものなので、間違って消さないように気をつけましょう。

「チェックポイント」学習を効率的に進めるために。「デュアルモニター」で作業能率アップ!

今後の授業では、実際にプログラミングをする際には、Google Colabのページを開き、カリキュラムを進める際には、今みなさんが見ているこのページのカリキュラムと、交互にページを見ることになります。

しかし、ページを行ったり来たりするのは大変ですよね。

スマホやタブレットでカリキュラムを見るのはもちろん、プログラミングをするときだけGoogle Colabのページを開く、といった方法でも問題ないですが、もし、PC用のディスプレイを2台持っていたら「デュアルモニター」として活用しましょう。

デュアルモニターとは?

「デュアルモニター」とは、PCにモニターを2台繋げ、同時に2画面で映像を表示する方法です。「デュアルディスプレイ」とも呼ばれており、左右もしくは上下に並べて配置するのが一般的です。

【参考例】「Windows11」にて「デュアルモニター」を活用して学習する方法

  1. 2台目のディスプレイを用意し、パソコンにつないで電源を入れる。
  2. デスクトップ画面で右クリックし「ディスプレイ設定」を選択。(画面上に2台目のディスプレイが表示されてない場合は「マルチディスプレイ」を選択し、「検出」をクリックしてから行います)
  3. 「ディスプレイ」内の「表示画面を拡張する」を選択。
  4. 「識別」をクリックし、ディスプレイの番号をドラッグして実際のディスプレイの配置と同じにする。/li>
  5. 「適用」をクリック
  6. この講座のタブをマウスでクリックしたまま(押したまま)隣のモニターまでドラッグし、マウスを離す。
  7. Google Colabのページを、使用していないディスプレイの方に配置する。

Macの場合は、以下のページを参考にしてみてください。

このカリキュラムのページと、Google Colabのページは、好みに応じて配置してみてください。これで、2つの画面を同時に見ながら学習できます。

Google Colabの基本的な使い方

Google Colabの使い方は、とてもシンプルです!

  1. 「コードを書く(プログラミングをすることを「コードを書く」と言います)」・・・ 「コードセル」と呼ばれる場所にPythonのコードを書きます。
  2. 「プログラムを実行する」・・・実行ボタン(▶)をクリック、または「Shift + Enter」を押します。
  3. 「結果を見る」・・・結果が下に表示されます!

基本的な使い方は、これだけです!どうですか?簡単ですよね!

「コードセル」と「テキストセル」の違い

Google Colabには「コードセル」と「テキストセル」という、2種類の入力欄があります。

それぞれの違いを見ていきましょう!

「コードセル」 = プログラムを動かす場所

上部メニューの「+コード」をクリックすると追加される入力欄です。ここにPythonのコードを書いて、左側の「▶」ボタンを押すと、書いたプログラムが実行されます。

実行すると、すぐ下に結果が表示されますよ!

「テキストセル」 = メモを書く場所

上部メニューの「+テキスト」をクリックすると追加される入力欄です。ここは説明やメモを書くための場所で、プログラムを書いても実行されません。

「このプログラムの説明」や「次は、ここを改善したい!」などのメモを書いておくと便利です!

見分け方は簡単!

  • 左に「▶」ボタンがある → コードセル(プログラムを書いて実行)
  • 「▶」ボタンがない → テキストセル(メモや説明を書く)

まずは「+コード」をクリックしてコードセルを作り、そこにプログラムを書いていきましょう!

「print関数(プリント関数)」で文字や数字を表示してみよう!

さあ、いよいよ実際にプログラミングに挑戦です!

これから、本格的にプログラミングをしていきますが、その前に、ここからの進め方を確認しておきましょう!

まず、各項目ごとにプログラムの説明をしていきます。

講座の途中には、プログラムの説明のために、時々、まだ習っていない内容が参考例として出てくることもありますが、心配しなくても大丈夫です!

習っていないことが出てきても、後ほど学習しますので、その時は「へぇ〜、こんなこともできるんだ」くらいの気持ちで先に進んでみてください!

一通り学んだら、今度は途中で「チャレンジミッション」というものが出てきます。これが出てきたら、Google Colabを開いて、実際にコードを書いて実行してみてください。

もちろん「チャレンジミッション」以外のプログラムも、気になったら、どんどん試してみてオーケーです!「これ、どうなるんだろう?」と思ったら、ぜひ試してみましょう!

プログラミングは「実際に試してみる」ことが一番の勉強法。失敗しても大丈夫!エラーが出ても大丈夫!どんどん挑戦していきましょう!

各章の最後には「エキストラミッション」というものが出てきます。これば各章のまとめの問題で、いわゆる「ボス」のような存在です。今まで学習したことを発揮し、ぜひクリアを目指しましょう!

それでは、いよいよ始めましょう!最初に学ぶ「print関数(プリント関数)」は、画面に文字や数字を表示する、プログラミングの第一歩となる大切な機能です!

「print関数」の基本

「print関数」は、画面に文字や数字を表示する「関数」です。

「print」は英語で「印刷する」という意味ですね。なぜ画面に表示するのに「印刷」なの?と思った方もいるかもしれません。

実は、昔のコンピュータは画面がなくて、結果を紙に印刷していたんです。その名残で、今でも「print」という名前が使われているんだそうです!

ここでは「パソコンの画面に文字を印刷(表示)する」というイメージですね!

print関数の基本的な使い方

print("Hello, World!") # 文字を表示
print(42) # 数字を表示
print("私は", 16, "歳です") # 複数のものを表示

このプログラムを実行すると、こんな結果が出ます!

Hello, World!
42
私は 16 歳です

print( )のカッコの中に書いた内容が表示されました!これが、print関数の基本的な動きです!(ただし、文字を囲んでいた「” “」は消えて、中身だけが表示されているのがポイントです!)

「print関数」の基本的な書き方

print関数を使うときの一番大切なルールは、「文字」と「数字」で書き方が違うことです。

文字を表示したいとき

日本語や英語などの文字は、必ず「ダブルクォート(” “)」または「シングルクォート(’ ‘)」で囲みます。(囲まないと、プログラムがエラーになります)

print("こんにちは")  # こんにちは
    print('Hello')  # Hello

数字を表示したいとき

数字は、そのまま書きます。「ダブルクォート(” “)」または「シングルクォート(’ ‘)」で囲む必要はありません。慣れるまでは間違いやすいので注意しましょう。

print(42)  # 42
    print(3 + 5)  # 8

複数の値を一緒に表示したいとき

複数の値を繋げるときは、カンマ(,)で区切ります。その際、自動的にスペースが入ります。

print("私の名前は", "沼田", "です")  # 私の名前は 沼田 です
        print("計算結果:", 3 * 4)  # 計算結果: 12

結果 → 私は 16 歳です

これだけ覚えればオーケー!

print関数の書き方は、たった3ステップ:

  1. printと書く(半角小文字で!)
  2. すぐ後ろに( )を書く
  3. カッコの中に表示したいものを入れる
    • 文字なら → "文字"
    • 数字なら → 123

最後にカッコを閉じるのを忘れずに!

「print関数」の「関数」って何?

「print関数」の「関数(かんすう)」とは何でしょうか?

プログラミング言語における関数とはあらかじめ決まっている「特定の仕事をしてくれる命令」のことです。

Pythonの関数では、例えば、こういうものがあります。

  • 「print」関数 → 画面に表示をしてくれる命令
  • 「input(インプット)」関数 → ユーザーの入力を受け取ってくれる命令(後で学びます!)
  • 「len(レン)」関数 → 長さを数える命令(後で学びます!)

今は「関数 = 便利な命令」なんだ!と、覚えておけばオーケーです!

✔︎ チャレンジミッション

次の3つのコードをGoogle Colabで実行してみよう!

実行するコード

print("Hello, World!")
print(42)
print("私は", 16, "歳です")

ヒント

  • 「コードセル」に、コードを1行ずつ入力。
  • 実行は「Shift + Enter」または実行ボタン(▶)をクリック。
  • 結果が「コードセル」の下に表示されれば成功です!

よくあるミスと解決方法

  • 「エラーが出た場合」: ダブルクォート(”)などを忘れていないか確認
  • 「何も表示されない場合」: printのスペルなどが間違っていないか確認(全て小文字です)
  • 「文字化けしてしまった場合」: 「全角」と「半角」を、間違えていないか確認
解答を見る(クリックしたら表示されるよ!)

サンプルコード

print("Hello, World!")
print(42)
print("私は", 16, "歳です")

実行結果

Hello, World!
42
私は 16 歳です

四則演算や、それ以外の様々な計算をしよう!

Pythonは計算が大得意!計算結果を保存したり、複雑な計算を自動化したり、プログラミングならではの便利さがあります。

まずは、基本的な計算から始めて、少しずつ色々な計算方法を覚えていきましょう!

基本的な四則演算

まずは基本の四則演算からです。記号の意味については、数学で習ったものと少し違うので注意してください!

四則演算の基本

# 足し算(プラス)
print(5 + 3)   # 結果:8

# 引き算(マイナス)
print(5 - 3)   # 結果:2

# 掛け算(アスタリスク)
print(5 * 3)   # 結果:15

# 割り算(スラッシュ)
print(5 / 3)   # 結果:1.6666...

プログラミングの計算記号

プログラミングの計算では記号の使い方が数学と少し違うので確認しておきましょう。

計算 数学の記号 プログラミングの記号
足し算 +
引き算
掛け算 × *(アスタリスク)
割り算 ÷ /(スラッシュ)

「ワンポイントテクニック」 数字と記号の間には半角スペースを入れると読みやすくなります!

# 数字と記号の間に半角スペースを入れる
print(5 + 3)   # 結果:8

四則演算以外の便利な計算

四則演算だけでも色々な計算ができますが、プログラミングには、さらに便利な計算方法があります!

これから紹介する3つの計算は、最初は「いつ使うの?」と思うかもしれませんが、実はとても役に立つものばかりです!

便利な計算記号

記号 名前 どんな計算? 身近な使い道
** べき乗(累乗) 同じ数を何回も掛ける 正方形の面積、2進数の計算
% 剰余(余り) 割り算の余りだけを求める 偶数・奇数の判定、曜日の計算
// 整数除算 割り算の答えの整数部分だけ 人数分け、ページ数計算

それぞれの計算を実際に試してみましょう!

3つの計算を使ってみよう

# べき乗(**):2の3乗を計算
print(2 ** 3)   # 結果:8(2×2×2)

# 剰余(%):7を3で割った余り
print(7 % 3)    # 結果:1(7÷3=2余り1)

# 整数除算(//):7を3で割った商(整数部分)
print(7 // 3)   # 結果:2(小数点以下は切り捨て)

こんなときに使えます!

  • べき乗(**):正方形の面積(5 ** 2 = 25)、立方体の体積(3 ** 3 = 27)
  • 剰余(%):ある数が3の倍数か調べる(n % 3 == 0なら3の倍数)
  • 整数除算(//):1000円を3人で割ったら1人何円?(1000 // 3 = 333円)

特に「%」は、後ほど学ぶ「条件分岐」というものと組み合わせると、とても便利に使えますよ!

計算の優先順位(計算の順番)

数学の授業で「掛け算は、足し算より先に計算する」と習いましたよね?

Pythonでも、同じルールが当てはまります。先ほどの3つの新しい記号も踏まえて、改めて確認しておきましょう!

計算の優先順位

優先度が高い順

  1. ( ) → カッコの中を最優先で計算
  2. ** → べき乗
  3. * / // % → 掛け算・割り算グループ
  4. + - → 足し算・引き算

順番のまとめ「かっこ → べき乗 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算」

実際の計算で確認してみましょう!

優先順位の確認

# 例1:掛け算が先に計算される
print(2 + 3 * 4)     # 結果:14
# 計算の流れ:3×4=12 → 2+12=14

# 例2:カッコで順番を変える
print((2 + 3) * 4)   # 結果:20
# 計算の流れ:(2+3)=5 → 5×4=20

# 例3:べき乗は掛け算より先
print(2 * 3 ** 2)    # 結果:18
# 計算の流れ:3**2=9 → 2×9=18

迷ったときはカッコを使って明確にするのがおすすめです!

実際に使える計算例

学校生活で使えそうな計算をしてみましょう!

身近な計算の例

# テストの平均点を計算
print("3教科の平均点:")
print((80 + 95 + 90) / 3)  # 結果:88.33...

# 消費税込みの値段を計算(10%)
print("1000円の商品の税込価格:")
print(1000 * 1.1)  # 結果:1100.0

# 割引後の価格を計算(20%オフ)
print("2000円の商品が20%オフ:")
print(2000 * 0.8)  # 結果:1600.0

「コメント」を書いてコードを読みやすくしよう!

先ほどから「#」の後ろに説明文が書いてあるのに気づきましたか?これが「コメント」です。

コメントは、プログラムの中に書くメモ書きのようなもの。ノートの余白に書く「ここ重要!」みたいなメモと同じです。

コメントの種類について

コメントには2種類あります。

1行コメント(よく使う!)

「#」(シャープ、ハッシュ)を使います。その行の「#」より後ろは全てコメントになります。

1行コメントの使い方

# これはコメントです
print("Hello")  # 行の途中からでもコメントが書けます

# 複数行にわたって
# コメントを書くときは
# 各行に#をつけます

複数行コメント(長い説明用)

「”’」または「”””」(クォート3つ)で囲みます。

複数行コメントの使い方

'''
これは複数行の
コメントです。
長い説明を書くときに便利!
'''

"""
ダブルクォート3つでも
同じように
複数行コメントが書けます
"""

コメントの上手な使い方

コメントを上手に使うと、自分にも他の人にも分かりやすいコードになります。

1. 何をするコードか説明する

処理の説明をコメントで書く

# 5教科のテストの平均点を計算する
# 数学(80), 英語(90), 国語(85), 理科(92), 社会(88)
average = (80 + 90 + 85 + 92 + 88) / 5
print("平均点:", average)

2. 複雑な部分を説明する

計算の詳細を説明する

# 買い物の合計金額を計算
price = 1200  # 商品の値段
tax = price * 0.1  # 消費税10%
total = price + tax  # 税込価格
print("お支払い金額:", total, "円")

3. TODO(後でやること)を書く

TODOコメントの例

# TODO: エラー処理を追加する
# TODO: 小数点以下を丸める処理を追加
score = 85.6666
print(score)

コメントを書くときの注意点

良いコメント

  • なぜそのコードを書いたのか説明する
  • 複雑な計算の意味を説明する
  • 将来の自分へのメモを残す

悪いコメント

  • コードを見れば分かることを書く(例:# xに10を代入
  • 古い情報のまま更新しない
  • 意味のないコメント(例:# ここ

覚えておこう: コメントは「なぜ」を説明するもの。「何を」はコードが説明してくれます!

プログラムの流れを理解しよう!

プログラムには大切なルールがあります。それは「上から下へ順番に実行される」ということです。

本を読むときと同じですね。1ページ目から順番に読んでいくように、プログラムも1行目から順番に実行されます。

順番に実行される例

実際に見てみましょう。

プログラムの実行順序

# 1番目に実行
print("おはよう!")

# 2番目に実行
print("今日の天気は晴れです")

# 3番目に実行
print("良い一日を!")

結果:

おはよう!
今日の天気は晴れです
良い一日を!

必ずこの順番で表示されます。順番が入れ替わることはありません。

エラーが起きたらどうなる?

プログラムの途中でエラー(間違い)があると、そこで止まってしまいます。

エラーで止まる例

print("1行目:正常に表示されます")
print(こんにちは)  # エラー!文字列は""で囲む必要がある
print("3行目:ここは表示されません")

2行目でエラーが起きるので、3行目は実行されません。ゲームで言えば、ゲームオーバーになったようなものです。

エラーは怖くない!

エラーが出ても、パソコンが壊れたりすることはありません。

エラーメッセージをよく読めば、「どこが間違っているか」を教えてくれます。

プログラマーも毎日エラーと付き合っています。エラーは学習のチャンス!

プログラムの実行の流れ
  1. ファイルの先頭(1行目)から開始
  2. 1行ずつ順番に実行
  3. エラーがあったら、その場で停止
  4. 最後の行まで実行したら終了

シンプルなルールですが、とても大切です!

✔︎ エキストラミッション「1」

これまで学んだことを使って「自己紹介プログラム」を作ってみよう!

要件

  • 名前を表示する
  • 学年を表示する
  • 好きな教科を表示する
  • 趣味を表示する
  • コメントも入れる

ヒント

自己紹介プログラムの基本構造

# 自己紹介プログラム
  print("===== 自己紹介 =====")
  print("名前: 山田太郎")
  # 他の項目も追加してみよう!

チャレンジ

できたら、以下も追加してみよう:

  • 生年月日から年齢を計算して表示
  • 好きな食べ物ベスト3
  • 将来の夢
解答を見る(クリックしたら表示されるよ!)

サンプルコード

# 自己紹介プログラム
  print("===== 自己紹介 =====")
  print("名前: 山田太郎")
  print("学年: 高校1年生")
  print("好きな教科: 数学")
  print("趣味: プログラミング")
  print("==================")
  
  # 追加チャレンジ版
  print("\n===== 詳細プロフィール =====")
  print("生年月日: 2008年4月1日")
  print("年齢:", 2025 - 2008, "歳")
  print("\n好きな食べ物ベスト3:")
  print("1位: ラーメン")
  print("2位: カレー")
  print("3位: ハンバーグ")
  print("\n将来の夢: ゲームプログラマー")

実行結果

===== 自己紹介 =====
  名前: 山田太郎
  学年: 高校1年生
  好きな教科: 数学
  趣味: プログラミング
  ==================
  
  ===== 詳細プロフィール =====
  生年月日: 2008年4月1日
  年齢: 17 歳
  
  好きな食べ物ベスト3:
  1位: ラーメン
  2位: カレー
  3位: ハンバーグ
  
  将来の夢: ゲームプログラマー
✔︎ エキストラミッション「2」

「1日の時間配分」を計算するプログラムを作ってみよう!

要件

  • 学校の時間:7時間
  • 部活の時間:2時間
  • 勉強の時間:1時間
  • 合計時間を計算して表示

ヒント

時間配分プログラムの基本構造

# 1日の時間配分
  print("===== 平日の時間配分 =====")
  print("学校:", 7, "時間")
  # 他の活動も追加
  # 合計を計算
  print("合計:", 7 + 2 + 1, "時間")

追加チャレンジ

  • 睡眠時間を8時間として、残りの自由時間を計算
  • 1週間(5日)の合計勉強時間を計算
  • 休日バージョンも作成
解答を見る(クリックしたら表示されるよ!)

サンプルコード

# 1日の時間配分
  print("===== 平日の時間配分 =====")
  print("学校:", 7, "時間")
  print("部活:", 2, "時間")
  print("勉強:", 1, "時間")
  print("合計:", 7 + 2 + 1, "時間")
  
  # 追加チャレンジ版
  print("\n===== 時間の詳細分析 =====")
  print("睡眠時間:", 8, "時間")
  print("活動時間:", 7 + 2 + 1, "時間")
  print("自由時間:", 24 - 8 - (7 + 2 + 1), "時間")
  print("\n1週間の合計勉強時間:", 1 * 5, "時間")
  
  print("\n===== 休日の時間配分 =====")
  print("勉強:", 3, "時間")
  print("趣味:", 5, "時間")
  print("家族との時間:", 2, "時間")
  print("合計:", 3 + 5 + 2, "時間")

実行結果

===== 平日の時間配分 =====
  学校: 7 時間
  部活: 2 時間
  勉強: 1 時間
  合計: 10 時間
  
  ===== 時間の詳細分析 =====
  睡眠時間: 8 時間
  活動時間: 10 時間
  自由時間: 6 時間
  
  1週間の合計勉強時間: 5 時間
  
  ===== 休日の時間配分 =====
  勉強: 3 時間
  趣味: 5 時間
  家族との時間: 2 時間
  合計: 10 時間

Pythonデータ分析講座「01」まとめ

第1回の講座、お疲れさまでした!今日は本当にたくさんのことを学びましたね。

今日学んだこと:

  • プログラミングは「コンピュータへの指示書」を書くこと
  • Pythonは読みやすく、学びやすいプログラミング言語
  • Google Colabを使えば、特別な準備なしで始められる
  • print関数で文字や数字を表示できる
  • 四則演算をはじめ、いろいろな計算ができる
  • コメントを使ってコードを読みやすくできる
  • プログラムは上から下へ順番に実行される

最初は難しく感じたかもしれませんが、それで大丈夫!みんな最初はそうです。大切なのは、少しずつでも前に進むこと。

次回は「変数」について学びます。データを保存して、何度でも使えるようにする便利な仕組みです。今日学んだことがさらに便利になりますよ!

それでは、次回もお楽しみに!